※記事原文(英語)はこちら
※下の記事はアジア太平洋地域のITビジネス誌CIO Advisor APACの記事を日本語訳したものです。
2021年度 アジア太平洋地域の急成長データ分析企業10社
grasys : 企業の強固なIT基盤づくり
効率的にビジネスを運営するためにはITインフラが非常に重要であるものの、多くの企業がネットワーク障害やシステムへの攻撃などの問題が生じて手遅れになるまで強固なITインフラを持つことの重要性に気付いていない。
医療でよく言われることだが「少しの予防は大きな治療と同等」で、これはITでも同じこと。しっかりとしたITインフラを持つことはITの障害やダウンタイムを防ぐ。
-ではそのような強固なインフラを構築するための鍵とは?
約20年の業界経験を持つITの専門家であり grasys のCEO & Founderである長谷川祐介氏は、この質問に対する解を持つ。しっかりとしたインフラを構築するために、ビジネスリーダーたちはエンドユーザーと彼らのサービス向上を考えるべきなのだ。良質なハードウェアを購入・使用するだけでなく、的確な戦略をシステムに取り入れて結果を出すことが重要である。
この思考のもと、長谷川氏の企業、 grasys は常に運営を見据えてシステムを設計を行っている。「我々は鍛え抜かれた専門家集団であり、技術においては妥協しません」と長谷川氏は語る。
長谷川氏は、本来ビジネスのシステムインフラ設計は”完成”することはないと考えている。常に改善し続け、常時変化し続ける顧客の要望や市場の競争に対応する必要があるのだ。それを実現するためには、予測できない変化に対応できる設計をはじめからすることがとても重要である。また、システムの運用フェーズも非常に重要である。革新的で先進的なインフラのデザインはスムーズに運用できるべきだが、コスト効率も良くなくてはならない。これはシステム設計・構築の質を決める重要な要素であり、 grasys が市場で立ち位置を確保している理由でもある。「我々は顧客の運用を念頭にシステム設計をしているため、変化や障害に素早く対応するシステムの構築を実現できています」と長谷川氏は語る。
このような grasys のシステムの柔軟性は昨今のパンデミック下の世界で特に重要性を増す。様々なビジネスが事業継続のために必死に戦っている中、 grasys はネットワークの観点でリモートの働く場所を提供するほか、コロナウイルス感染拡大前と変わらないシステム運用を提供している。しかし、長谷川氏は現在世界が新型コロナウイルス感染拡大によって直面している状況を「ニューノーマル」と呼ぶのは必ずしくも正しくないと指摘する。長谷川氏は「毎回新たな技術が出てくる度に”ニューノーマル”は作られています。ポストコロナ時代も世界は変わり続けていくので、重要なのはこのような変化を予測して適切なタイミングで適応する準備をすることなのです」と述べる。
従来のMSPを超える
大半のMSPのサービスはクラウド商品のリセールやシステムの構築・監視、また技術サポートのみに限られているが、 grasys の専門領域はそれを超える。また、 grasys は3大クラウドである Google Cloud (GCP) 、 Amazon Web Services ( AWS )、 Microsoft Azure のいずれでもシステム構築をすることが可能である。各顧客のITインフラの要件に対してgrasysはアセット管理、負荷計測、OSチューニングやサブシステムなど様々な観点から考え、最適なクラウドを選定する。「我々はパートナーの様々なソリューションも組み合わせて顧客の多様なニーズに対応しています。例えば、 HashiCorp の Terraform を使用してマルチクラウドのシステムを管理したり、 Elastic の Elasticsearch を Google Cloud (GCP) の BigQuery と組み合わせて簡単に素早く検索をできるようにしています」と長谷川氏は補足する。
現代のゲーム業界は子供の遊びではない
「我々はゲーム業界のクライアントを多く持っていますが、商品開発者には面白いゲームをつくることに集中して欲しいと考えています。なので、商品開発以外全てを担い、必要に応じて課題解決をし、ゲーム業界のインフラエンジニアが経験する様々な困難を代わりに解決しています」と長谷川氏は語る。
現代のゲーム業界のインフラエンジニアはバックエンドシステム、予算や仕様の決定、運用や設計、構築やソフトウェアのセットアップ、システム構築後の課題解決など様々なタスクを持っている。一言で言うと、インフラエンジニアは多様なタスクをこなさなければならないのだ。「ゲームのITシステムが重要な理由は、ゲーマーの皆さんは各ゲームのセッションに対して真剣だからです」と長谷川氏は説明する。また、昨今ゲーム業界ではスマートフォンゲームやコンシューマゲームなど様々な形態のゲームが存在し、これらのゲームには大量のアクセスが集中する。だからこそ的確なサーバやネットワークでインフラの設計・構築・チューニングをすることは、ユーザー体験の質を担保するために今まで以上に重要なのだ。
grasys はこのような大規模で高負荷で複雑なゲームアプリのインフラの構築・運用に対する専門知識を持っている。また、大規模なインフラは大規模なデータを伴うため、 grasys は必然的に複雑なデータ分析基盤の設計・構築・運用にも長けており、ゲームから流れ出る大量なデータの処理をこなしている。
このような実績をもとに、 grasys はゲーム業界だけでなく、様々な業界でもインフラの多様な課題解決に貢献してきている。スタートアップ企業 Capy Inc. のインフラを AWS から Google Cloud (GCP) に移行したことで、ビジネス運用コストを20%削減し、システムのパフォーマンスを30倍にした実績などもある。(2020年12月時点)
企業の成功のきっかけとなることに対する熱意
現在の市場で grasys が成長している重要な理由の一つとして長谷川氏は、「我々はITインフラだけを提供しているわけではありません。クライアントのビジネス全体を見てITシステムをクライアントと二人三脚でつくっています」と述べる。この思考は企業文化にも深く根付いており、他社との差別化をする主なポイントでもある。また、もう一つ重要な点として、 grasys に在籍するエンジニアは技術的な範囲を制限しない幅広いスキル、知見や経験を持っているということが挙げられる。このような実力と成長にかける想いをもとに前進する長谷川氏は、「時代の変化によって我々がどのように新しいシステムをつくっていくのか今の時点で確実には言えませんが、変化に順応することを止めることはないです。私のゴールはシステムを作り続けることであり、 grasys は私の発案物であり、私が生きる限りこの哲学を会社に注ぎ込み続けたいと思います」と語る。